ゴールデンウィーク登山2012/04/28



 2007年の7月に1型糖尿病を発症してから、毎年続けてきたゴールデンウィークの山歩き。
 2008年は雲取山、2009年両神山、2010年瑞牆山、2011年赤城山・・・
 いずれも、深田久弥の「日本百名山」に登場する有名どころを歩いてきた。

 さて、1型発症5周年となる今年は、どこ行こう・・・

 昨日までの気の滅入るような曇り空とは打って変わった青空の下、向かったのは、三頭山。
 チョット、チョット・・・
 これまでのGW登山に比べて、随分ショボいンとちゃう?

 う~ん・・・
 確かに・・・
 別に三頭山をバカにするわけではないけど、やっぱり・・・ちょっと物足りないかな?

 最初は、三頭大滝から石山の路、深山の路経由で三頭山に登り、鞘口峠か風張峠まで縦走する予定だったが、上の駐車場から都民の森までの送迎バスは出てないとの事だったので、結局、鞘口峠から登って三頭大滝に下るいつものコースをとることにした。

 今年は、下界でも桜がかなり遅れていたので、山はそろそろかなぁ?と期待していたのだが、その期待を遥かに裏切るような山の姿に、唖然・・・
 気温は春とは思えないほど高く、半袖シャツ1枚でも汗ばむほどなのに、ヤマザクラの蕾はまだ固く、木々の枝にも新緑の芽吹きは見られず、辛うじて、道端に咲く小さなスミレに季節の変化を感じる程度。

 標高1400m付近にある見晴らし小屋で、奥多摩の山々を眺めながら昼食。
 出掛けに急いで作った梅干しのおにぎりを食べる。
 いつもなら、途中のコンビニでおかずを買ってくるのだが、今日は、真っ直ぐ都民の森まで来たので、おかずは無しだが、青空の下、暖かな陽の光と清々しい微風を背中に受けながらの食事は、なによりの御馳走だ。

 いつもは、最高峰の西峰まで真っ直ぐ登るのだが、今日はのんびりと、東峰、中峰と、正に三つの頭を廻ることにした。
 それにしても、こんなに天気が良いのに、山道に入ってからは、あまり人と行き交わない。
 途中で、数パーティの5~6人とすれ違っただけで、東峰の展望台にも、5人しかいなかった。
 都民の森の駐車場は、満車ではなかったが、かなり一杯停まっていたし、売店周辺にも大勢のハイカー姿の人たちがたむろしてたのに、一体、みんな、どこ行ってるンだろう。
 などと思いながら、中峰に向かうと、ベンチで10人くらいの中年パーティが賑やかに食事をしていた。
道標の上におかれた狛犬

 中峰山頂を示す道標の上に、小さな狛犬が飾られていた。
 以前来た時にはこんなもの無かったと思うし、塗料などもかなり綺麗なままだったので、おそらく最近誰かが置いていったのだろう。
 考えて見れば、この山では、神社の祠や地蔵尊を見かけないなぁ。
 普通なら、どこの山に登っても、必ず、最低でも2つ以上は、登山道脇に祠やお地蔵さんが祀ってあって、手を合わせて行くのだが・・・
 御本尊はないけれど、小さな狛犬に、心の中で手を合わせて、今日の楽しい山歩きに感謝をする。

 一旦中峰から下って、西峰に登り返す。
 西峰の山頂は、大勢のハイカー達で大(?)混雑。 ざっと見積もっても、50人はいるだろう・・・
 あいにく、富士山は雲に隠れて見えなかったが、反対側の奥多摩の山々は、正面の鷹ノ巣山を中心に、左右になだらかな稜線を、くっきりと引いている。
 山頂に建てられたパノラマ図と実際の峰々の位置がずれていることを、いつも、疑問に思っていたのだが、よくよくみると、パノラマ図は「中峰から見た」となっているではないか!

 なぁんだ、そうだったのか・・・

 って、じゃぁ、なんでココ(西峰)に建てるンや、紛らわしい!

 団体さんが下って、ベンチが空いたので、暫くトカゲを決め込んだ。
 奥さんは、必死(?)に、お友達に送るメールを書いている。

 ポカポカとした日差しの下、ベンチの上に仰向けに寝転がって目を閉じる。
 近くで話すハイカー達のがやがや声は、直ぐに耳から遠ざかり、その代わりに、遠くで囀る鳥の声や、顔の上を流れて行く微風の音が、心の奥まで沁みてくる。
 こんなにのんびりしたのは、何ヶ月振りだろう。

 そう云えば、いつだったか、陣馬から高尾に向かった時、城山のベンチでトカゲになろうとしたら、いきなり、売店のおっさんに怒られたことがあったなぁ
 おそらく、あのおっさんは、本物の山好きではないンだろうな

 時間にすれば、僅か10分程度だったと思うが、久しぶりに山と一体になれた気がした。

 奥さんのメールも終わり、ムシカリ峠に向けて急坂を下る。
 前回来た時は、ムシカリ峠からブナの路を下って三頭大滝に出たが、それじゃ、あまりに物足りないので、直進して深山の路に向かう。
 避難小屋のトイレで用を足して、大沢山への斜面を登る。
 南西の空の雲は切れることなく、結局、富士山を見ることは出来なかった。
 
 三頭大滝上流の沢まで下ったところで、一休み。
 やわらかな苔に覆われた倒木に腰掛けて、都民の森の売店で買ってきた柏餅を食べる。

 今年のGW登山は、約6kmの道のりを4時間もかけて歩くと云う、随分、のんびりとした行程だったが、たまには、こんなのも良いよね。

 帰路は、いつもの通り、周遊道路を奥多摩湖に下ったが、途中の桜並木が満開で、とても綺麗だった。
 奥多摩湖の駐車場の桜は、もう終わりに近かったが、駐車場から見上げる大麦代展望周辺は、今がちょうど見頃といった感じだった。
奥多摩大麦代の桜

 1月にダウンロードしたスマホアプリの「山旅ロガー」が、UPDATE後、調子があまり良なく、奥多摩むかしみちでもGPS受信が安定しなかったので、山で本当に使えるのか心配していたが、今回は、最初から最後までしっかりと記録できていた。


(本日のコースタイム)
都民の森駐車場(11:10)---(11:30)鞘口峠(11:30)---(12:00)見晴らし小屋(12:20)---(13:00)東峰・中峰(13:10)---(12:25)西峰(13:20)---(13:55)ムシカリ峠(13:55)---(14:10)大沢山(14:10)---(14:55)三頭大滝(14:55)---(15:15)都民の森駐車場