戦友の死2013/12/08

 その連絡は、何の前触れもなく、突然訪れた。

 約半月前に届いていた恒例のXmas&忘年会のお知らせに、漸く「参加」の連絡が出来たそのメールに、「電話で話したいことがある」と、ちびちゃんから返信があったのが昨日の夜。

 「メールには書けない内容」とは、一体何事か?

 と、訝しながら、携帯番号をメールで伝えて、電話を待つ。

 午前中は洗車をして、昼食を食べ終えて少し休んでいると、ふいに携帯が鳴った。

 電話の向こうのちびちゃんの声が、心なしか震えている。
 ご無沙汰の挨拶に続いて彼女の口から伝えられた言葉は、にわかには信じられない内容だった。

 自分が1型糖尿病になって、初めて参加してみた勉強会で、初めて声をかけてくれた彼女。
 仲間を見つけることの大切さを教えてくれて、患者会に誘ってくれた彼女。
 患者会のイベントでは、いつも明るく、豪快にみんなと楽しんでいた彼女。
 患者会の誰もから「大アネゴ」と慕われ、頼られてた彼女。

 もし、あの時、彼女が患者会に誘ってくれていなかったら、今の自分が、病気に対してこんなに前向きになっていただろうか?

 同じ1型糖尿病と闘う大切な戦友の死...

 しかも、自分が知っていた彼女には、もっとも相応しくない死の報せに、返す言葉も見つからず、ちびちゃんの震える声に、何ともやるせない気持ちで一杯になった。

 何でやねん!
 アンタらしくないやん!
 「一人で悩まず、仲間を信じろ」云うたやん!
 「みんな、大事な戦友」や云うてたやん!

 今年も、みんなと楽しみたかったよ。
 今年も、みんなと騒ぎたかったよ。
 べにさんの豪快な笑い声、聞きたかったよ。

 べにさん、戦友に迎えてくれてありがとう。