縁起もの ― 2010/01/07

福よ来い
 早いもので、新しい年も、もう一週間が過ぎた。
 暮れについた(と言っても、電気餅つき機を使っただけだが)餅は、まだ半分残っていると言うのに、正月気分は薄れて、慌しい日常が戻りつつある。
 今年は、一体どんな年になるのやら・・・

 話はまったく変わるが、日頃歩いている街でも、時折、思わぬ発見があったりして、実に面白い。
 暮れの大掃除をしている時、うっかり手を滑らせて、玄関灯のシェードを割ってしまったので、新しい玄関灯を探しに行こうと思い、食後の運動を兼ねて、福生のヤサカまで歩くことにした。
 昨日の午後のことである。
 普段なら福生警察署の先の立体交差で青梅線を渡って、向こう側に出るのだが、昨日に限っては、何を思ったのか、そのまま線路のこちら側を福生駅に向かって進むことにした。
 線路脇を歩きながら「あれっ、この先まで行ったら、行き過ぎるなぁ」と気付いたが、わざわざ後戻りするのも面倒なので、結局、そのまま、福生駅手前の踏み切りで線路を渡って、線路沿いを戻ることにした。
 踏み切りを渡って、線路沿いの道を歩いていると、右手に、風にはためく薄紫色の幟が見えてきた。
 白抜きの文字には、

 「福生 亀焼き」

 亀・・・焼き・・・カメ・・・?
 この道は、これまでも何度も歩いているし、電車の窓からも数え切れないほど眺めている風景なのに、こんな幟には一度も気付かなかった。
 いつも通りに立体交差で線路を越えていたら、ここを通ることはなかっただろうし、そうなると、この幟に気付くのはもっと先になっていただろう。
 そう考えると、「新年に、福が生まれる亀(焼き)」なんて、何か縁起が良い。
 小さなテーブルがふたつ並んだ庭先から少し奥まったところに窓口が見えたので、入っていくと、窓の向こうのコンロの前で、店のおばさんが何やら作っている。

 「こんにちは」
 「はい、いらっしゃい」
 「亀焼きって何ですか?」
 「たい焼きみたいなもので、亀の形をしたもの」

 ふ~ん、亀の格好したたい焼きだから「亀焼き」・・・そのまんまやんか・・・
 何となく気にはなったが、これから回るところもあったので、昨日は挨拶だけして店を後にした。

 で、今日も福生まで行く用事があったので、午前中にお店を訪ねて「亀焼き」を買ってきた。
 家に戻って包みを開けると、正に「亀の形」をしていて、甲羅の真ん中に「福」(裏側は「生」)の文字が・・・
 何か、これだけでも、福が一歩近づいてきたような、そんな幸せな気持ちになる。

 今年1年の幸せを祈りながら・・・いただきまぁす。

 ちなみに、小豆あんとクリームあんの二種類があって、ひとつ100円です。